犬ジステンパー、犬パルボウイルス感染症、犬伝染性肝炎、犬コロナ、犬アデノウイルス2型感染症、レプトスピラ症、パラインフルエンザなどの感染症をはじめ、犬の病気は多岐にわたります。これら感染症対策としては、4種混合ワクチンを生後約60日で接種し、続いて生後約150日で7種もしくは8種混合ワクチンを接種します。 ただ、最近は4種と、7種か8種という計2回のパターンではなく、生後90日ぐらいで6種混合ワクチンを1度だけ接種するという対応も出てきているため、獣医師と相談してどのタイミングが好ましいかを判断するといいでしょう。 ワクチンは、それ自体が病気に効くわけではなく、いわば病気にならないための"武器"を体内に作る機能を有するものです。混合ワクチンの中には、1年で効果を失うもの、また、失われている可能性のあるものがありますので、1年に1回、定期的に接種することをお奨めします。 このほか、狂犬病の予防注射は当然のことですし、蚊が媒介して感染する恐ろしい病気フィラリア症などもあります。どれをどの時期に接種したらいいかを、信頼できる獣医師と話し合いながら受けるといいでしょう。 狂犬病について、もう少し説明を加えてみます。日本では昭和30年ごろに姿を消し、それ以降は発生の報告はありません。ただ、狂犬病が発生していない国は、世界でも日本を含めてごく一部です。中国などアジアでは多発傾向がみられ、そうした国々から日本に犬などが入ってくると、国内で再び狂犬病が再燃しかねません。アジアは、かなりきわどい状況と言えるでしょう。 狂犬病の予防注射は年1回必ず受け、注射済み証を首などに取りつけることが狂犬病予防法第5条で義務づけられています。同法に従わない場合は、20万円以下の罰金を支払わなくてはなりません。 また、同法第27条では、犬を迎え入れてから30日以内に犬の登録を申請し、それを証明するために犬の首に鑑札を取り付ける必要があります。登録申請は最初の1回で済みますが、申請、鑑札取り付け義務を順守しなければ、予防注射と同様、20万円以下の罰金刑に処せられます。 |