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ドッグフード考察

 推奨ドッグフードのページと多少重複するところはありますが、ドッグフードについてもう少し考察を加えてみましょう。ドッグフードの選択には多くの皆さんが気を遣っている、と察せられます。ご承知のように日本国内で出回っているドッグフードの90%以上は洋犬向きで、秋田犬にマッチするフードを見つけるのは至難の技と表現しても過言ではありません。

 たとえ洋犬用のドッグフードであっても、基本的に秋田犬はあまり抵抗なく食べます。しかし、銘柄を列挙するのは避けますが、ある特定の銘柄を中心とする大半の洋犬向きフードは、長いスタンスで秋田犬に与え続けると、皮膚や内臓の疾患など何らかの障害が出るリスクが生じるようです。これは、当クラブから推奨ドッグフードをご購入なさる皆さんからの聞き取りなどで強く感じている点です。

 メーカーサイドも「このドッグフードはすべての犬種にベストマッチです」と絶対の自信をもって販売しているものではないと考えられますし、ほとんどの犬種に与えてみたデータも揃えてはいないでしょう。

 ただ、「値段が安いから」「おいしそうに食べているから」などの理由で、徹底して洋犬向きのドッグフードを大切な家族の一員である秋田犬に与え続ける方がおられるなら、当クラブとしては「やめた方がいいですよ」という立場にはありませんので、「好きになさってください」と述べる以外にはないと思います。

 犬を人間に置き換えてみましょう。かつて日本人はたんぱく質を、納豆に代表されるような豆類などで得ていました。ごく一部の富裕層以外、日常的に肉類を食することはなかったはずです。しかし、欧米人はステーキに代表されるような肉類を古くから主なたんぱく源としてきましたし、脂肪分の摂取量も日本人とは比較にならないほど多いでしょう。どっぷりと肉類に馴染んできた欧米人と"粗食"に馴染んできた日本人とでは、DNAレベルで内臓をはじめとする体の"つくり"や体格、パワーも違うと考えられます。

 しかし現代では、日本人の食生活も欧米化し、ハンバーガーのような「ジャンクフード」はもとより、高カロリー、高脂肪食をごく当たり前に食し、これに伴っておとなだけではなく子どもにも生活習慣病患者が加速度的に増えています。そうした食生活などを背景に、最近は日本人だけではなく欧米人も、極度の肥満や心筋梗塞などの疾病に悩む人が大幅に増加し、国によっては社会問題化しています。「ヘルシー」などの観点から、日本食の評価が高まっているのも事実です。

 人間と同様で、洋犬向きに構成されたドッグフードを秋田犬に与え続けると、今は「おいしそうに食べている」と感じても、いずれは後悔の種を生むかも知れません。つまり、秋田犬に限っていえば、"明らかに洋犬向き"のドッグフードは与えない方が無難だということです。

 大切な秋田犬に、当クラブの推奨ドッグフードなどベストマッチのドッグフードを与えることができたとしても、実は別の角度での問題もあります。愛犬が何らかの食物アレルギーをもっている場合です。とうもろこし、小麦粉、大豆、牛肉などドッグフードに使用される原材料は多岐にわたりますが、それらのいずれかにアレルギー反応を示す犬であった場合、使用を見合わせなくてはならなくなります。

 秋田犬にとってベストマッチなドッグフードを与えてさえも皮膚炎などの疾患が改善されない場合は、「食物除去・食誘発試験」など食物アレルギーの検査を、獣医師にしてもらうことをお奨めします。アレルギー検査には複数の種類がありますが、検査の精度、要する時間、費用などについて獣医師からきちんと説明を受け、納得した方法を選ぶのが賢明でしょう。

 このコーナーの結論を申しますと、秋田犬に与えるドッグフードを選ぶこと自体、細心の注意を払う必要があり、無関心でいるとやがては「辛い介護」「短命」のツケがまわってくる可能性があるということです。

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