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皮膚疾患の一例

  家族の一員たる秋田犬のためにどのようなドッグフードを選択するかは、愛犬の健康、長寿の有無に大きな影響を与えるのは言うまでもありません。人間と同様、犬にとっても食は基本です。このページでは、ドッグフードの選択を誤り、皮膚疾患で愛犬を苦しめてしまった一例を挙げてみましょう。

 これは、秋田県内の例です。親子2代にわたって秋田犬と暮らしてきたAさんは、秋田犬の飼育に関してはベテランであるにもかかわらず、愛犬(赤オス)の皮膚疾患に悩んでいました。生後約9カ月になる犬の腹部の毛が広範囲に脱けてしまい、ところどころ赤くなっているのを心配したAさんは、最寄りの獣医に連れて行きました。

 犬の腹部を診た獣医は「この子はとても痒いはずだよ。掻きむしって、毛が脱けたんだ」と開口一番。「完治させるには、時間をかけてじっくり取り組まなくてはならない」と付け加えました。症状は進み、肛門周辺や指の間なども部分的に脱けていました。

 Aさんは、秋田犬をもう1頭(白メス)飼育しており、同様の皮膚疾患がみられます。獣医に同行した飼育歴約60年の大ベテランは、Aさんに「ドッグフードは何を与えているの?」と問いました。2種類の銘柄を挙げたAさん。「どちらも秋田犬には奨められない。皮膚疾患に苦しむのも当然だ。直ちに変えなさい」と、大ベテランは諭したのでした。

 重要なのは、洋犬に代表される他犬種と違い、秋田犬はドッグフードにデリケートだという点です。銘柄の選択を誤ると、数カ月与えただけでも皮膚疾患を誘発します。

 前述の獣医がおっしゃっていた言葉に、飼育する側の責任の重さを感じます。「人間の言葉を話せない犬は、どんなに痒いかを主人に訴えることはできない」。

 やや生々しいですが、皮膚の治療を開始したAさんの愛犬の腹部写真を下に掲載します。左が立ち姿を正面から撮影。治療開始から4日目で、ピンク部分がもっと赤かったのが、薄らいできました。少しは"痒み地獄"から解放されたと察せられます。右が後ろから撮影したもので、肛門付近から尾根部にかけての脱毛を確認できます。

 皆さんの愛犬が皮膚疾患に苦しんでいたら、「どんなに痒いだろう」と思いやり、速やかな治療開始とともにドッグフードの見直しをお奨めします。

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