上の2頭は、一見違う犬のようですが、まったく同じ犬です。父母とも特優1席、祖父は名誉章、そしてみずからも東北・北海道総支部展1席、秋田県北支部展特優1席など、常に1席を獲得しました。彼女は顔、構成、スケールとも抜群ですが、右の写真の方が左よりいくぶんふっくらと見えます。左が若犬のころで、右が壮犬時の写真です。大器晩成の犬は、月日を重ねるにつれてどっしりと安定感を増し、バランスが崩れることはありません。
いかがですか? 右と左とでは、安定感が違うでしょう。それは胸の厚みをはじめ、さまざまな部位に表れます。「最近は勝負を急ぎすぎる人が多い。本部展の幼犬で1席を獲った犬でも、そのまま伸びていく犬はむしろ珍しい。秋田犬の真価は成犬。じっくりと作り上げていかなくては大成しない」。何頭もの名誉章犬を作り出してきた超ベテランオーナーの言葉です。大器晩成。じっくりと練り上げた逸材だけが、秋田犬の歴史に名を残します。
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