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秋田犬の子をお迎えになる皆さんには、どの色を選ぶかをご家族で話しあうことも楽しみの一つではないでしょうか。秋田犬の基本色のページにも関連しますが、このコーナーでは色をお決めの際にわずかなりとも参考になるであろう点に触れてみましょう。 秋田犬の色は赤、虎、白の基本的な3色が挙げられます。このうち赤毛は忠犬ハチ公に代表される色ですが、ハチ公は同じ赤でも色素が薄い部類の赤だったようです。それと対極的な位置にあるのが、俗に「焼け赤」と呼ばれる濃い赤。 理想は濃くも薄くもない標準的な色合いの赤で、これぞ秋田の秋田犬で紹介している赤などはまさに標準的、理想的な色調といえるでしょう。濃すぎるとくどく、あまり薄いと存在感が弱い印象を受けます。 当クラブから赤毛をお迎えになる皆さんには「絶対に赤」というこだわり派と、「赤が無難」いう方、「どちらかといえば赤が好き」という方に大別できます。当然、色によって性格や体格などが異なることはありません。 秋田犬を飼育なさっていない一般の皆さんからの認知度は赤毛が最も高い、と断言できます。例えば赤毛とともに散歩をしている時、見知らぬ人が「秋田犬ですね」「いい秋田犬ですね」などと言って近寄ってくることがあります。 これは、赤毛は一目見ただけで多くの人が「秋田犬」と判別できることを意味します。当然飼い主が注目されるのではなく連れている秋田犬が道行く人の関心を誘うのですが、そうした人々とのコミュニケーションに抵抗感がない方は、秋田犬の代表格ともいえる赤毛をお選びになるといいかも知れません。 一方、虎毛をお選びの方は、赤以上に「絶対に虎」とこだわる方が多いようです。実のところ、赤とは対照的に虎は一般の人々からの認知度は低く、散歩中に「秋田犬ですね」ではなく「秋田犬ですか?」と疑問符が付されるケースが多いほか、「これは何という犬種ですか?」と聞かれる場合すらあります。 極端な例ですが、こんなことがありました。空港のカウンターそばに、多くの搭乗客がおりました。空港が支度する大きなバリケンでこれから飛び立とうと赤毛の秋田犬がオーナーと待合スペースに姿を見せたとたん、多く人たちが近寄ってきて頭を撫でたり、写真を撮ったり、オーナーに話しかけたりしていました。別の機会に、同様に虎毛が入ってきたところ、関心を示す人は赤毛とは比較にならないほど少ないでした。 つまり、虎毛は一般の人には秋田犬と判らない場合が多く、ソフトタッチの赤よりいかつい色調なため、見方によっては「恐い」印象すらあり、やや近寄りがたいというわけです。それからしますと、「人が関心を寄せようが寄せまいが、秋田犬は虎だ」という"主義"の方には、虎はまさにうってつけといえます。 最後に白。虎と同様、白も赤ほどに「秋田犬」と気づいてもらえないことの方が多いといえます。当クラブは、色を決めかねているものの白に気持ちが傾きつつある皆さんには、最初に「あなたはシャンプーしてあげることを面倒と思いますか?」と訊ねます。「面倒」または「どちらかといえば億劫」と答える方に、白はお奨めしません。 きれいに拭いてあげるなど散歩後の毛のケアを含め、白は美しさを保つのに神経を遣い、シャンプーの手抜きをするとやがて黄ばんでいき、輝くような白さは生涯失われます。そうなると、「きれいじゃない」ということでご家族の愛情が薄らいでいく可能性があり、当クラブもよほどきれい好きな方でないと白はお奨めしておりませんし、これら基本的な3色の中では最も人気薄です。以上の点などをご参考になさり、ご自分またはご家族に最も合う色はどれかをお決めいただければよいと思います。 |