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欧州の新たな流れ

  大会に参加する欧州の秋田犬愛好家が、日本から秋田犬を導入する際にとりわけ留意するのは○関節に異常がないか○近親交配されていないか、の2点に大別できるのではなかろうか。無論、欠歯や舌斑の有無、欧州で目新しい血統かを含め、彼らが注目する点はいくつもある。

 うち関節異常の有無については、新たな"流れ"が出てきたように思える。日本から欧州までの航空運賃を抑えるといった目的を含め、これまでは圧倒的に多くが生後120日以降に迎えていた。同90日以降に狂犬病予防注射を接種し、抗体ができるのを30日間待ってから離日するのが最短。専門機関による抗体検査を義務づけている国もあるため、その場合は日本での待機日数はより長い。

 生後120日以降どころか、最近は同10カ月以降になって購入するケースも出てきた。子犬時にレントゲンで関節を撮影しても、その後、同10カ月までの間に先天性、後天性に絡む何らかの原因で異常をきたすことがある。このため、空輸代などが大幅にかかり増しになっても、関節に狂いが生じない生後月数に達した10カ月以降の秋田犬を迎え入れる秋田犬愛好家が、まだ少数であろうが欧州で出始めている。

 ただ、それに伴う課題もある。日本の熟練繁殖者の多くは子犬時に手放す傾向が強く、生後10カ月以降の犬はいずれ大会(展覧会)に出そうと大切に育てているため、送り出すことに難色を示す例が多い。それでも購入したい場合、価格が子犬の数倍に跳ね上がることも珍しくない。

 生後10カ月以降の秋田犬を迎え入れたいと願う欧州の一部の愛好家は、「出費がかさんでも関節異常のリスクを最小限に抑えたい」との考えが根底にある。日本から欧州に導入する際、いずれは同10カ月以降の犬を迎えるのが主流になっていくように思える。下の写真は、同10カ月以降の秋田犬の購入希望を欧州の愛好家から受け、関節異常がないことを獣医師(秋田県北部)が確認している様子である。

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