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「大館の方言はどんなですか」「大館で使われている表現を教えてください」。そのようなおたずねを、当クラブから秋田犬の子をお迎えの皆様などから受けることがあります。秋田犬はもとより、犬とも直接関係がないためこれまで取り上げずにいました。しかし、秋田犬は「大館犬」とも呼ばれた時代があり、そこで暮らす生粋の"大館人"がどのような方言を使っているのか、あるいは、使っていたのか、その一端をご紹介するのも意義があるかも知れない、との結論に至りました。 「秋田弁」という表現は一般的ですが、「大館弁」という言い回しをする大館市民もおります。秋田県は、秋田犬発祥地の大館市を含む県北、県庁所在地の秋田市を含む中央、横手市や湯沢市などを含む県南の三つの地域からなります。地域によって言い回しそのものが違ったり、同じ表現でも意味合いが地域で異なる場合も往々にしてあるため、このコーナーではあくまで筆者が「大館で使われる方言」と認識している表現のみ取り上げてみたい、とお断りをさせていただきます。 全国的に方言がすたれてきたと言われる現代、小学生や園児などを含む若い世代は伝統的な「大館弁」を使わなくなってきており、小学生などの会話を聞くと、「東京から来た子?」と思いたくなる例も少なくありません。つまり、ここでご紹介する「大館弁」は一定の年齢以上の方のみが使う可能性がある、言ってみれば「いずれ消え行く方言」との解釈もできると思います。 さて、「秋田弁」「大館弁」で最も重要なのは「い」「き」「し」「ち」「に」の音でしょう。これらの音は共通語のような"クリア"な発声にはならず、俗に言う「ずーずー弁」です。例えば「寿司」という単語。共通語では「すし」と明確に発声しますが、「秋田弁」「大館弁」では「すし」の「し」が「す」と「し」の中間音的な発声になるでしょう。 この「し」の音を東北出身者はネイティブに発声すると思いますが、東北以外の方には土地の人間に教わらない限り、たやすくは表現できません。また、「寿司」か「煤(すす)」か聞き間違うこともないとはいえません。 従って、ここでご紹介する「大館弁」で「い」「き」「し」「ち」「に」と、それに伴う濁音は共通語の音にはならないことを、きわめて重要な点としてご理解ください。また、同じ"大館人"でも個々によって異なる意味で使っている場合や、人によってはまったく使わないという点もあらかじめ明記させていただきます。 このページでは"泥臭い"大館弁を選りすぐってご紹介し、適宜付け足していきたいと思います。 ○あい=驚きや落胆、満足などの際に、冒頭に付けて使う/あい、えで/おお、いいなあ的な意味合い/あい〜と延ばして使うことも ○あがべ=全国的に知られる表現の「あっかんべえ」と同義語。「が」の音は、鼻から抜かない発声。大館弁というより、秋田県内ではほぼ全域で使われるが、子どもを含む若年層はほぼ使用しないと推察される ○あぎらがす=あきらめる/あぎらがさねで、やれ/あきらめずにやれ、または、根気強くやれ、といった意味合い/あぎらがす=飽きる、で使う人も皆無ではない ○あしからみ=足からみ/足手まとい/足からみ、なな/足手まといになるな ○あっぱ=妻、嫁/オラえ(家)のあっぱ/うちの嫁 ○あば=婆さん/あば、どごサ行ぐ?/婆さん、どこへ行くの? ○あばかがり=身の丈に合わない、首を突っ込むのような意味合い/あばかがり、すな/身の丈に合わないことをするな ○あべ=行こう、帰ろう/そろそろ、あべ/そろそろ、行こう/え(家)サ、あべは/うちに、帰ろうよ ○あんだ=あなた/あんだだが?/あなたか? ○あんべ=標準語で漢字にすれば「塩梅」/あんべ、わり(悪)/具合が悪い ○いだわし=もったいない/じぇんこ、いだわし/カネがもったいない ○うだで=恐い、(悪い意味で)想像もつかない、といった意味合い/何おごるんたべ、うだでなあ/何が起きるんだろう、恐いなあ ○えひる=つむじを曲げる、気分を害するのような意味合い/えひな/つむじを曲げるな ○おおだで=ハチ公の生誕地、秋田犬発祥地「大館」=おおだて=を訛った表現。「おおだで」のほかに「おだで」という言い回しも数多く聞いてきたが、高校生以下を中心とする若年層は大館弁を使いたがらない傾向にあるため、ほとんどは「おおだて」と共通語的に表現する。背景には「秋田弁なんてだっせ(ださい)」という意識が、若年層に定着しつつあるからと考えられる。 ○おがる=成長する、大きくなるなどの意味/おめの息子、おがったなあ/あんたの息子、大きくなったなあ ○おっける=転ぶ/おっけるがら走(はし)な/転ぶから走るな ○おっこね=おっかない、恐い/おめ、おっこねな/お前、おっかないな ○おどでな=一昨日/おどでな、来たってな/一昨日、来たのか 〇おべだふり=知ったかぶり/おべだふりすな/知ったかぶりをするな ○おぼこ=赤ん坊や幼児、子ども、または精神的に幼い場合でも使うことがある/ありゃあ、まだ、おぼこだ/あれは、まだ、子どもだ ○おぼこだまし=「幼稚な弁解」「拙い手段」「すぐにばれる嘘」的な意味合い/そんたら、おぼこだまし、通用さね ○おもしぇ=面白い/おもしぇなあ/面白いなあ/稀に「もしぇ」という人もいる ○おらほ=自分たちの/おらほの村/自分たちの村/秋田県内一円で使用 ○おり=「折詰」の略。/「仕出し屋サ、おり、頼んだが?」(仕出し屋に折詰を注文したか?) ○おんじ=弟/これ、ワのおんじだ/これは、私(僕)の弟だよ ○が=お前/が、じ(ず)れぐすな/お前、生意気だぞ、といった意味あい ○がじゃね=大人げない、幼稚な様/がじゃねごど、すな/大人げないことをするな/がんじゃね、と言う人も/大館はもとより秋田県内一円で使われている模様 ○かだる=加わる/ワもかででけれ/私(僕)も加えてくれ ○かだる=語る、つくなどの意味/嘘、かだな/嘘をつくな ○かっち=田舎、それも奥まった位置のような意味合い/「じゃんご」も類似しているが、田舎の総称的な感じ/じゃんごまし/田舎者 ○かっちゃ=母さん、母ちゃん/隣のかっちゃ/隣の(家)の母さん ○かっちゃぐ=引っ掻く/ねご(猫)にかっちゃがいだ/猫に引っ掻かれた ○かっつぐ=追いつく/兄サ、かっつげ/兄さんに追いつけ ○かっとろける=人を押しのけたり目の前の存在を無視して前に出る、または、しゃしゃり出る的な意味合い ○かっぱ=表裏が逆転する、転覆するなどの意味/船、かっぱなった/船が転覆した ○がっぱり=ごっそり、根こそぎなどの意味合い/ありゃど、がっぱり持って行った/あいつら、ごっそり持って行った ○かます=かきまわす、などの意味 ○かまどけし=破産すること、または破産した人/かまど(家)をひっくり返す、からきている模様 ○かまり=におい/いい、かまりす/良い匂いがする/香り、いやな臭いのいずれにも使う ○がら=がりがりに痩せている/そんたにがらだばだめだ、もっと飯け/そんなに痩せてちゃだめだ、もっと飯を食え ○からもぐ=じたばたする、余計な動きをする、のような意味合い/からもぐな/じたばたするな ○かんちける=せいにする/人サ、かんちけなで/人のせいにするなよ/かちける、と表現する人もいる ○きまげる=気分を害する、怒るなどの意味/まんず、きまげねでけろ/まずまず、怒らないでください ○きみ=とうもろこし/きみ、け/とうもろこしを食え ○きゃね=弱く、もろい様/かじぇ(風邪)っこ、ひいだってな、きゃねなあ/風邪をひいたのか? 弱いなあ ○くしぇ=くさい/香りではなく、いやな臭いに対してのみ使う/このふぐ(服)、くしぇな/この服、くさいな ○くめに=〜の間に/寝でるくめに/寝ている間に/「くめに」のみで使用されることはない ○け=食え/もっぱら家族や友人などかなり親しい人同士、または年上の人が年下に使ったりする、丁寧語ではない言い回し ○け=痒い/あだま、け/頭が痒い ○けっち=尻/けっち、いで/尻が痛い ○げっぺ=びりっけつ/さっさ、げっぺだでぇ/いやあ、びりっけつだよ ○ごぎ=後妻 ○ごしゃぐ=叱る/ごしゃがいだ/叱られた/大館はもとより、秋田県内一円で使われている模様 ○こっこ=人間以外の子ども/こっこ犬/子犬 ○ごっつぉ=ご馳走/ごっつぉ、なったス/ご馳走になりました ○こび=へばり付いている汚い物。鼻こび(鼻くそ)。若年層は使わない、あるいは知らない言い回し。 ○ごべらすけね=要領を得ない口ぶり、あやふやな説明、などの意味 ○こんじょ=漢字にすると「根性」だが、意味としては性格や底意地など/こんじょ、わり(悪)な、おめ/底意地が悪いな、お前 〇ごんじょわだ=内臓を意味するが、極度に泥臭い表現で、ほぼ死語 ○ごんぼほり=やたらと文句をつけたがる人、などの意味/ごんぼほな/文句を言うな ○さい=うっかりしていた、しまったなどの意味合い/さい、じぇんこ忘いだ/しまった、お金を忘れた/ほぼ死語で、70歳以上の一部がまだ使用する程度か ○さし=物差しを短く表現/さし、持って来い/物差しを持って来い ○さっさ=「いやあ」など/困ったとき、予想外のことが起きたときなど、冒頭につける ○さね=しない/「すが?」「さね」/「するか?」「しない」 ○さんび=寒い/きょうは、さんびな/きょうは寒いな ○じぇんこ=おかね/じぇんこ、けれ/おかねを、くれ/大館はもとより、秋田県内一円で使われている模様 ○しがま=氷/しがま、張ってる/氷が張ってる ○じっちゃ=じいさんを意味するが、響きとしては「じいさん」よりは「じじい」/「じっこ」と表現することも ○しばしね=うるさい/しばしね。わんちか黙らいねが/うるさい。少し黙っていられないか ○しねじる=つねる/いでがら、しねじな/痛いので、つねるな ○しま=隅/しまサ、よな/隅っこに寄るな ○じゃっこ=フナなどの小魚の意味/じゃっこ釣ね行ぐべ/小魚を釣りに行こう ○しゃっぷ=帽子/しゃっぷ、かぶれ/帽子を被れ ○じゃま=「ざまあねえ」の「ざまあ」と同じ意味合い/じゃま悪(わ)り、じゃまえぐねなどは、カッコ悪い、ぱっとしない、風采があがらないなどの意味 ○じゃわめぐ=ぞくっとくる、寒気がするなどの意味。津軽地方(青森県)でもよく使う表現 ○しゅぎ=漢字では「祝儀」と書き、結婚式や披露宴の意味 ○しょんべ=小便、おしっこ/「しょんべん」は全国的に聞く表現だが、大館(県内一円?)は末尾の「ん」を省略/しょんべして/おしっこしたい ○しんけたがれ=しんけは「神経」/いらいらしやすい人、怒りっぽい人、癇癪持ちなどの意味 ○ずご=頭頂/ずご、禿げできたでぇ/頭のてっぺんが禿げてきたよ ○すずがる=関わる、構うなどの意味/あれサ、すずがな/あいつに構うな/「す」「ず」は「し」と「す」の中間音 ○ずれ=生意気、ずるいなどの意味合い/ずれぐすな/生意気な態度を取るな、のような意味/「ず」は明確に「ず」ではなく、「じ」との中間音 ○そごなれ=出来損ない、最低ランク、最悪的な意味合い/物、場合によっては人をさしていう/このリンゴ、そごなれだ/このリンゴは出来損ないだ ○たっぺ=唾/たっぺ、はぐな/唾を吐くな ○たねる=探す/たねだばって、ねっけでぇ/探したけれど、なかったよ ○たまぐら=食わせ者、とんでもない奴、のような意味合い/より強調して「くされたまぐら」と表現することも/ありゃ、たまぐらだ/あいつは食わせ者だ/「くされたまぐら」についてネット上で「何にでも口出しする人」と訳している例があるが、少なくとも大館ではそうした意味で使うのを聞いたことはない。ただ、大館以外の秋田県内で「何にでも口出しする人」として使う可能性は否定しない ○たもがる=つかまる/これサ、たもがれ/これに、つかまれ ○だんす=団子/だんす、つぐ(作)った/団子を作った/「す」は「す」と「し」の中間音/東北で広く使われている可能性も ○たんぱら=短気な様や人/漢字では「短腹」/たんぱらだなあ、おめ/短気だなあ、お前は ○たんひ=ください/上がってたんひ/(うちへ)上がってください/秋田県内では「たんせ」と書いたりもするが、大館で「たんせ」はほとんど聞かない ○ちゃかし=お節介焼きなどの意味/ありゃあ、ちゃかしだに/あいつはお節介焼きだよ ○ちゅうぶ=脳卒中/あんまり飲めば、ちゅうぶあだるど/あんまり飲むと、脳卒中になるぞ ○ちんぺ=背丈が小さい、チビ的な意味(きわめてマニアックな表現で、ほとんど死語?) ○っこ=どじょっこ、フナっこなどに代表される言い回しで、よく使われる/犬っこ、馬っこ、ねご(猫)っこ、とり(鶏)っこなど ○つらつぎ=嫌な顔をする様/つらは漢字で「面」 ○てぎ=面倒、面倒臭い、億劫などの意味/てぎかげだな/面倒かけたな/てぎだな/面倒臭いな/「大儀」が訛ったものと思われる ○てっこづぎ=てこづぎ、と使う人も/分解すれば、手っこ使い、か/てっこづき、わりなぁ/不器用だなぁ ○でっか=10円ハゲ/ちっちぇどぎ、でっかでぎだでば/幼い時分、10円ハゲができたんだよ ○どぉでら=どんなもんかねえ、といった意味合い/さあ、どぉでら/さあ、どんなもんかねえ ○どさ=どこへ/「どさ、湯さ」は最短の会話として有名/「どこへ行く」と問い、「湯(主に銭湯の意味合い)へ行く」と答える ○としょった=年をとった/おめ、としょったな/お前、年をとったな ○どでん=驚く様/なもかも、どでんした/とても驚いた ○なずぎ=おでこ/「ず」は、明確に「ず」ではなく「ず」と「じ」の中間音。つまり、訛(なま)った音 ○ねっちょふけ=執念深い、しつこいなどの意味/「ふけ」は漢字で「深」 ○ねぱかぱ=ねばねば、に近い意味/ねぱかぱ、す/ねばねばする ○ねぷかげ=居眠り/ねぷかげ、すな/居眠りするな/「ね」は「寝」という漢字を用いる ○ねまる=座る/こごサ、ねまれ/ここに座れ ○のっこり=ごっそり、丸ごとなどの意味/のっこり、置いでいった/ごっそり、置いていった/のっそりとした様を表現する場合も使う ○のどかだまり=漢字にすると「喉固まり」となり、食物が喉の奥に滞って息苦しいような意味合い/茹で卵、あんまり食ったっきゃ、喉かだまりす/茹で卵をあんまり食べたので、喉の奥に滞っているようだ ○ののめぐ=すごい勢いなどの意味/ののめでら/すごい勢いだ ○ばが=漢字にすると「馬鹿」となるが、「か」に濁点が入る/あの、ばが/あの、馬鹿/ばがこ、という言い方もある。 ○ばしゅう=死語に近い表現で、ばあさんの意味/ばしゅう、体あんべどうだ/ばあさん、体の具合はどうだ/じいさんを、じしゅう、と言う人もいる ○はだげる=片づける、取り除く、取り払う、などの意味/ゆぎ(雪)、はだげれ/雪を取り払え ○はだる=ねだる、せびるなどの意味/じぇんこ、はだってばりだ/おカネをねだってばかりだ ○はっから=そんなに早くから、といった意味合い/はっから、そんた話したって、どうすってや/そんなに早く、そんな話をしてどうするっていうんだ ○ばっち=末っ子/3人兄弟のばっち ○はばげる=のどに詰まる/もぢ(餅)、はばげな/餅を喉に詰まらせるな/のどかだまりとは意味を異にし、より重く深刻な響きがある ○はらくだり=「腹下り」と書き、下痢をするという意味/そんたに飲めば、腹下りすど/そんなに飲めば、下痢をするぞ ○ばんげ=夜/ばんげだって、エさ行ぐハぁ/夜になったので、家に帰るよ ○ばんば=大便、うんち/大阪などでは同じ意味で「ばば」と表現するが、大館では若い世代はほぼ死語 ○ひずね=つらい/健康状態や生活状態などで使う ○びっき=小僧、子ども/びっきのじゃぐして/小僧の癖に ○ひった=言った、という過去形/今なんてひった/今なんと言った/ひな、は命令形/いらねごど、ひな/余計なことを言うな/ひる、は現在形/あの人、なんてひる人だ?/あの人は、何という名の人だ?
○ひっぺえしゃ=一種の悪態で、「ひっぺ」と「えしゃ」からなる/くそくらえ、うるせえよ、余計なお世話だ、など複数の意味をもつ ○ひば=それでは/ひば、一曲うだわせでもらうス/それでは、一曲歌わせてもらいます/「せば」と言う人もいる ○びろ=よだれ/びろ垂らすな/よだれを垂れるな ○ふじゃらむ=ぼこぼにする、に近い意味/ふじゃらむどぉ!/ぼこぼこにするぞ! ○ふずらすけね=しれっと狡猾な行いをするような意味合い/おめ(お前)、ふずらすけねな/中高年齢層以外はほとんど使わない、と推察される ○ふてぎこぐ=つむじを曲げ、それを露骨に態度に表すような意味合い/「えひる」にも近いが、露骨に態度に表す「ふてぎこぐ」の方が程度が強い ○ふと=人/まんず、このふと/(否定的な響きで)なんだろね、この人は ○へっちょ=へそ/へっちょ出すな/へそを出すな/青森県でも使われており、あるいは東北一円で使うかも ○ほじね=頭のネジが緩んでいる、に近い意味/あれだば、ほじね=あいつは、抜けている(「ほんちけね」も似たような意味) ○ほいど=欲張り/ほいどごぐなでゃ/欲張るなよ/ほぼ同じ意味で「ほいどかしら」という表現もある ○ぼど=ぼろきれ、ぼろ服などの意味/ぼど、着てら/ぼろ服を着ている ○ほろぐ=払い落す、などの意味合い/雪(ゆぎ)、ほろげ/雪を払い落せ ○まがす=こぼす/まがすな/こぼすな/まげる、も同様の意味 ○まっこ=お年玉/まっこ乗ひ(せ)る/お年玉をあげる ○まなぐ=目/秋田県内一円で使う模様/まなくたま、となると眼球 ○ままで=とても/ままで汚ね/とても汚い ○めぇ=うまい、おいしい/全国的に使う「うめぇ」の「う」を省略した言い回し/めぇ、け/おいしいぞ、食え ○めぐしぇ=醜い、不細工、えげつない、など意味合い/人の容姿をさす場合、行動をさす場合がある/めぐしぇごどすな、では「えげつないことをするな」 ○めんこい=可愛い/大館はもとより、東北の広範囲で使うと思われる/めんこい、わらし(童)っこだな/可愛い子だね ○もご=婿/オラえ(家)のもご/うちの婿 ○やごど=本気ではなく、冗談っぽくのような意味合い/やごどや/本気ではないよ ○やじゃね=どうしようもない、役に立たない、などを意味する否定的言い回し/ほいだば、やじゃね/それだと、どうしようもない/ほぼ死語 ○やすめらいる=軽んじられる、無下にされる、粗末に扱われる/おめぇ、社長にやすめらいでらなあ/お前、社長に軽んじられているなあ ○やだらぱじ=そんなに、とても、やたらと、などの意味合い/やだらぱじ、怒な(おごな)/そんなに、怒るな ○やっこ=物乞い、などの意味合い ○やっちくしゃね=騒々しい、やかましい、うるさい、落ち着きがないなどの意味/やっちくちゃね、という人もいる ○やばち=汚い、汚れているなどの意味/やばちごどすな/汚いことをするな ○よっきり=酔っ払い/よっきりサ、しんじがな/酔っ払いに構うな/「しんじがな」の「し」「じ」は「す」「ず」との中間音 ○よろた=大腿部、太もも/よろた、いで/太ももが痛い ○よんた=ようだ/んだよんた/そのようだ ○わしゃど=子どもたち(ガキどもに近い)/ありゃあ、どごのわしゃどだ/あれは、どこのガキどもだ ○わんちか=少し/わんちか、けねが/少し、くれないか ○んだ=そうだ、という意味で最もポピュラーな表現/「んだ、なんす」だと「そうですね」で丁寧語 〇んだぎゃ?=そうか?という疑問形/高齢者を中心に、稀に使われる ○んにゃ=意味の説明はむずかしいが、否定の響き/んにゃ、まず/「たまげたな」に近い
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