展覧会で勝つには、秋田犬への限りない愛情と犬そのものが優れているのは必要不可欠ですが、それ以外に求められる技術があります。熟練オーナーもそれぞれ、独自のノーハウを持っています。そこでこのコーナーでは、ある支部展覧会での写真をもとに、配慮すべき点などをいくつかピックアップしてみましょう。 |
疲労がピークに達していたり、乗り物酔いしている犬は、いざ出番というときにはうまく立ってくれなかったりしますので、移動に際してはどうすれば犬の疲労や乗り物酔いを最低限に抑えられるかを、常に考えてあげなくてはなりません。→ |
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それから、全身くまなくブラッシングをしてあげます。毛が抜ける時期にきていたら、ブラッシングの最中に毛が抜けても気にする必要はありません。抜け毛が体に付着していることの方が外見上、マイナスです。きれいにして、ブラッシングを施してやることで、犬の方も気分的にリフレッシュします。 会場に着くや、周囲を積極的に歩かせるオーナーもおりますが、写真のオーナーさんはドライブでの疲労回復を最優先し、犬を入れてきたケージを日陰に置き、その中で休ませます。出番まで、外に出ることはありません。 (注:犬の頭が白く写っていますが、これは光の加減でそうなったものです)→ |
展覧会経験がまったくない、あるいは浅いオーナーは、ただ綱を持つぐらいしかできませんが、ハンドリングには高い技術が求められます。その技術に長けているハンドラーは、その犬本来の価値以上に高く見せる技術も心得ています。無論、勝負は犬そのものの完成度や当日の状態に大きく左右され、長旅の疲れや乗り物酔いなどが原因でうまく立たず、予想外に順位を下げる場合もあります。 |
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ちなみに、特優1席は犬の完成期を迎える成犬の部でのみ与えられる賞です。本部展の名誉章を勝ち取るための、登竜門に匹敵する賞といえるでしょう。この犬は珍しくややナーバスになっていましたが、ずば抜けて高いハンドリング技術を持つオーナーさんですので、最高の立ち姿を見せる技でも勝負します。 |