マンホールに秋田犬
「マンホールの蓋に秋田犬とは、びっくりですわぁ」。当クラブから秋田犬の子を迎え、観光がてら当地に秋田犬の勉強をしに来られた大阪の方の弁。私たち大館市民の多くはほとんど気にも止めなかったのですが、"大阪人"の驚きようが新鮮に思え、このコーナーで取りあげてみました。 巻尾立耳の威風堂々としたマンホールでの姿に、大館市民全員が「これは秋田犬です!」と説明できるでしょう。では、その周りをぐるりと取り囲んでいる樹木は何か、答えられる市民は秋田犬ほど多くないかも知れません。大館地方を中心とする秋田県北部は、青森県の津軽ヒバ、木曽地域の木曽ヒノキとともに「日本三大美林」と称せられる秋田杉の主産地です。木の形からして、マンホールの蓋に秋田杉をデザインしたのは明白です。つまり、大館では秋田犬と秋田杉の"秋田コンビ"が市を代表するシンボルということになります。 そう結論づけてしまうと、合併によって現在は大館市ながら、かつて比内町だった比内地域の在住者は心穏やかではないでしょう。なぜなら、比内地域の皆さんの少なからずは「大館市のシンボルとして、天然記念物比内鶏も負けてはいない」と考えているからです。原種比内鶏をベースに「日本三大美味鶏」の一角をなす比内地鶏を作り上げた土地でもありますので、比内鶏への思いとプライドは少しばかりではありません。旧町時代の名残りとして、比内地域のマンホール蓋には比内鶏がデザインされているはずです。
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