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子犬時の散歩2

 秋田犬の散歩や運動は、骨格が定まっていない生後150日ぐらいまでが、最も気を遣う時期といえるでしょう。とりわけ、関節が繊細な血統の子などは、この時期に運動の仕方を誤ると前足が体から真っ直ぐではなく外側に開いたり、後ろ脚がクロスしたようになる可能性が高まります。

 そうなっても素人目には、まったくといっていいほど判りませんが、眼の肥えた熟練者は気づき「脚がだめだね」と指摘することもあります。稀に展覧会で見落とす審査員もいますが、多くの秋田犬を見て勉強を重ねている審査員は脚を一見しただけで大きく減点し、ほかの部分でよほど優れていない限り、入賞はさせません。

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  では生後150日ぐらいまでの間、どのような散歩、運動をすれば、健全な足腰を形成できるのでしょうか。ある熟練オーナーの理論がきわめて有効ですが、それを公開する承諾が得られませんので、当クラブから子犬をお迎えになられた方にのみ、おおよその方法をお伝えしています。

 それだと「何だ、教えてくれないのか」と落胆する方もおられると思いますので、ヒントをご紹介しましょう。熱心な方は、それをもとに試してみれば、答えにたどり着けるかも知れません。

 まず、散歩には大きく分けて3通りあります。一つは引き綱をつけたまま一定の時間なり距離なりを歩く方法、一つは引き綱をつけて自転車などで軽く走る方法、一つは何もつけずに自由に歩いたり走ったりさせる方法。あくまで生後150日ぐらいまでを目安としますが、この中でバランスよく丈夫な足腰、関節を形成するにはどの方法がベストでしょうか。

 キーポイントは「体の特定部分に負荷がかからない」ということです。子犬の段階で日常的に特定部分に負荷がかかる散歩あるいは運動をし続けると、冒頭で触れた脚の状態になってしまう可能性が高いですし、実際、展覧会の最高峰である本部展ですらそうした犬を目にします。出陳者の大半は、管理の失敗を原因とする脚の欠陥に気づいていません。

 前述の理由で明確な回答を公開できないのは残念なのですが、「どうしてウチの犬は前脚が開くのだろうか、どうして後ろ脚がクロスしたように見えるのだろうか」と悩んでおられた方にとっては、いくぶんなりともヒントになるのではないでしょうか。原因は、子犬時の散歩や運動の仕方にあった可能性が高い、と。

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